パイプカット研究所真田です。
本日は
パイプカットの避妊率
についてまとめました。
なるべく成功率を高めるパイプカットの受け方についても書いておりますのでご一読ください。
世界のパイプカット実施率
パイプカットは日本での実施率こそ低いですが、世界的にはよくある手術です。
ある研究によれば
ニュージーランド 23%
アメリカ 11%
オランダ・韓国 11%
オーストラリア 10%
中国 9%
という報告があります。
なかでもニュージーランドは突出して高く、男性の約4人に一人がパイプカットを受けていることになります。
パイプカットの避妊率
パイプカットの避妊率は文献によって差がありますが、おおむね次のような感じです。
避妊率 | |
パイプカット | 99.5% |
コンドーム | 84% |
子宮内避妊器具 | 99.2% |
ピル | 92% |
卵管結紮 | 99% |
避妊率だけでにると卵管結紮や子宮内避妊器具(IUD)などが最も避妊率が高いのですが、女性側の体の負担が非常に高いので現実的にはあまり行われていません。
パイプカット後に妊娠する確率
アメリカ泌尿器学会のガイドラインによれば、パイプカット後2000人に1回(0.05%)妊娠することがあるとしています。
これはパイプカット後何年たっても起こりえるとしています。
イギリスの論文では、1.4-2.4%が精子が消失しないすなわち妊娠の可能性があるとされています。
これらを合わせると、パイプカット後の具体的な妊娠率は
0.05%ー2.4%くらいということになります。
避妊率でいえば、99.76から99.95%ということになります。
パイプカットはほぼ確実な避妊効果が得られますが、ごくごくまれに妊娠することがある、というのが実際のところでしょう。
手術の種類、医師の腕によって避妊率は変わるのか
どうせパイプカットを受けるのであれば、避妊率を最大まで高めたいというのは当然のことです。
となると、手術の方法や医師の技術力によって成功率(避妊率)は変わるのかという疑問がわいてきます。
結論から言うとYESです。
精管の断端をどう処理するか
私は全国50件以上のクリニックのパイプカット手術について調べてきましたが、カットした精管をどう処理するかはクリニックによって大きく違います。
①カットして結ぶ
②カットして3重に結ぶ
③カットして結んで断端を焼く
④カットして結んで断端を焼いて別の場所に置く
⑤カットして結んで断端を焼いて別の場所に縫い付ける
だいたいこの5つの処置が主流でした。
実際のところどの処理によって成功率が高まるかというデータはないのですが、たとえば秀クリニックの先生は⑤の方法を採用しており、「断端同士の距離が離れ、空間も別になる。私は現時点ではベストの方法と思います」とコメントされています。
たんにカットしただけでは再交通する可能性が高まりますから、なるべくつながらないようにいろいろ処置をするのは正しいように思います。
医師の技量による差
医師によって成功率に差が出るのか、という問いには自信をもってYESと答えます。
これはいかなる手術でもそうでしょう。
とくにより高い技術力を必要とするNSV法は、ある程度ブラインド(見えない状態)での操作が必要となるため、医師の技術力の差が出やすいでしょう。
医師選びが肝心
パイプカットの避妊率はかなり高いのですが、それでも100%にはなりません。
すこしでも100%に近付けるためには、やはり医師選びが重要になるといえます。